“マンションの外部修繕工事” タイミングで悩んでいませんか?
最近、札幌の街を車で走っていると、大型マンションに仮説足場が掛かっている風景くみます。そこでは、外壁塗装やタイル補修、屋上防水工事などを施工しています。分譲と賃貸を比較すると、賃貸のほうが割合として多いような気がします。
また、施工業者を見ると、やはり管理会社つながりの業者のようですね。いずれもアフター体制のしっかりした、手堅い会社ばかりです。今後、このあたりの会社がどんどん躍進して、中小の工事業者は淘汰されてしまうかもしれません。
私は以前、建築会社において、リフォーム専門部署に長く居りました。ですから、こんな視点でついつい見てしまいます。
さて今回は、家主さんの大切な物件の修繕計画について書きます。
(※空室対策のリフォームではなく、最低限必要な修繕のお話です)
●外壁 (外部) 改修工事のタイミングは何時が良いか?
現場管理を担当したアパ・マンの外部改修工事は70棟ほど、内部改修についての数は覚えていません。 と言うか、数え切れません (笑)
そんな経験の中で、一番多かった外部改修のタイミング (きっかけ) とは?
「雨漏り・タイル落下など、クレームが起きたとき」
でした。正確に言うと、そのような事故が起きたときに応急処置で凌ぎ、翌年に全面改修をするパターンでした。でも、最悪のタイミングと言えます。
例えば、こんな問題が ↓
1. 入居者へ被害がでる
2. 建物へのダメージが大きく、改修費用がかさむ
3. いざというときに、予算が組めないこともある
4. ここまでくると、入居募集に影響が出ているケースもある
1.入居者への被害がでる
一番多い事例が、雨漏りです。その際、入居者の所有物を汚損してしまいます。 (衣類・布団・家具など) また、室内を復旧工事をする間、入居者に心理的負担を強いることにもなります。
汚損に対しては、ある程度は保険で対応できると思いますが、トラブルに発展する危険性は高いです。
2.建物へのダメージが大きく、改修費用がかさむ
北海道の場合、この傾向は顕著です。RC・ALC外壁では、凍害による躯体爆裂に至るケースが多いです。 (酷いのになると、鉄筋がむき出しになってます)
実はRC・ALC系外壁塗装の場合、純粋な塗装費はたいした金額ではありません。全体の工事費に占める割合の半分以上が、いわゆる下地処理です。 (コーキング等も含む) ここの部分の痛みが激しければ、途端に工事費が跳ね上がります。
また、屋上防水に関しても、冬季の 「スガ漏り」 が、怖いですね。無理をすれば雪を下ろしての施工も可能ですが、費用も掛かりますし、施工環境にも不安が残ります。 (応急処置をするにも、漏水箇所の特定が難しい)
3.いざというときに、改修予算が組めないこともある
これは、大型の賃貸物件で見受けられます。一番困るのが、融資が満額付かないなどの理由で、施工内容の見直しを図る必要のあるケースです。(コストダウン案を再考)
しかし、コストダウンにも限度があり 「施工責任保証の関係上」 性能が保証できない場合は工事を請けられないこともあります。 (私の場合、実際にお断りしたことは無いですが ・・・ そんなときは業者さんに協力してもらっていました)
4.ここまでくると、入居募集に影響が出ているケースもある
だいたいそうです (笑) つまり、自分の物件に対して関心がない家主さんは、入居促進も人任せの感覚の人が多いようです。これは、賃貸経営への姿勢とリンクしている問題だと捉えていますが、結構当てはまります。
●家主さんへの提言
○外部改修工事のタイミングは? の結論 ↓
「新築時より → 木造は10年、RC・S造は15年後」
ちょっと乱暴ですが、少なくとも 「専門家に点検を依頼するタイミング」 と、考えてもらってもかまわないと思います。問題が出てから対応していては、費用がかさみます。
経験則上、ちゃんとした業者さんに手を入れてもらうと、新築時より耐久性は上がります。 (塗装・防水とも) そういう意味では、ケチらずに早めの手当てをしたほうが、数段コスト的にも有利です。
○ポイントは、この2点 ↓
o 建物の塗膜や防水の状態を把握し、酷くなる前に施工する
o 改修時期は必ずやってくるので、予算を見込んでおく
過去に、スゴイ家主さんがいました。
50戸入りの大型RCマンションの外部改修工事を受注しましたが、契約時の支払条件が現金でした。 (1800万円ですよ!) 話を聞くと新築時より一戸あたり家賃から、修繕費を3000円ずつ積み立てていたそうです。
15年間で2000万以上になりますが、細かい内部の修繕費に使った分を差し引いても、外部改修分の費用は出るというのです。 まあ、税務処理の観点からいくと微妙ですが、この家主さん 「借金は大嫌いだ」 と言ってましたし ・・・
最後に
くどいですが、外部改修 (修繕) に関して、先延ばしにしていて良い事は一つもありません。適切な建物診断を受けて、早めに対処しておけば賃貸経営のプラスになることは確実です。
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○参考写真 建物診断報告書に添付した写真の一部です
↑ALC外壁の凍害例(窓水切り下) この部分を撤去してALC補修材で成形します
↑屋上防水不良例 保護層が剥離して排水口に詰まり、屋上がプールになりました
↑屋根板金腐食例 集合煙突の傘からの飛び錆び、雪下ろしの際の穴も
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