空き室対策の第一歩 ― 家主さんのスタンス


先日、 “ちょっと嬉しい” メールをいただきました。
以前、家主さん向けの勉強会に呼ばれ 「賃貸仲介の実情」 や 「仲介店との関係構築の大切さ」 について、お話ししたことがありました。その際、最前列で熱心に質問してくださった、家主さんからのメールでです。


その文中で

仲介のお店の担当者と、良好な関係を築くことが出来そうです

との内容があり
 
「ああ、一番大切なことを実行してくれたんだなぁ」
と、嬉しくなったわけです。

そのわけは ・・・



仲介店の担当者と “良好な関係” を築く意味
私は不動産会社勤務時代に家主さんの物件を満室にするべく、お手伝いさせていただいていました。その賃貸仲介の最前線で 「家主さんの持つべき意識」 として大切だと感じていたことがあります。 

それは↓ 

  • 第一段階 賃貸経営に対する見識、視野を広く持つ (自己物件の分析)
  • 第二段階 仲介店へ “的を得たアプローチ” を実施する
  • 第三段階 集客の期待できる仲介店 (大手) において、前向きな姿勢の担        当者と付き合う

段階的な意識レベルのポイントは、この3点になると考えています。



第一段階 賃貸経営に対する見識、視野を広く持つ 
家主さんの相談を受けて、多い質問は
「今まで、空いたことが無かったのに ・・・ どうして?」
「仲介業者に頼んでもさっぱり ・・・ どうして?」
という内容です。


これらの言葉の裏には

    • 「自分の物件」 が、置かれている立場を理解していない
    • 地域の市場動向に無関心
    • 賃貸経営への意識が他動的である

こんな、家主さんの姿勢が読み取れます。


基本的に、いわゆる 「たたき上げ」 の家主さんは頑固です。 (笑) 今まで何十年も賃貸経営でゴハンを食べてきて、私みたいな若造に 「理屈」 を言われても 「はい、わかりました」 と、いかないのは当たり前です。


その点では、逆に今回メールをいただいた家主さんのように、賃貸経営を始めて日の浅い方のほうが、柔軟に対応できると考えています。 
(但し、それは決して私の 「理屈」 を素直に、聞き入れるというレベルの話ではありません)


柔軟な対応とは ↓ 
“アドバイスや情報を選別精査した上で、積極的に取り入れ、賃貸経営に生かしていく姿勢を持てる”
ということです。
(簡単な理屈ですが、賃貸経営に苦労している家主さんの中では、まだまだ少ないようです)



第二段階 仲介店へ “的を得たアプローチ” を実施する

最近は、家主さんがホームページやブログを持ち、賃貸募集に活用しようとしているケースが見受けられます。これは、方向性としては決して悪いものではありません。


しかし、募集に際し、効率 (確率論) という観点から言えば、大手仲介業者さんの情報量は圧倒的です。ですから、大手仲介業者さんが現時点で 「物件流通の要」 となっていることは否定できません。 (大手さんの場合、札幌市内だけでも最低40000戸前後の情報量があります)


家主さんにとって
 「入居者」 とは?  当たり前ですが、顧客ですね。
では、その 「入居者」 と出会うプロセスに介在する仲介業者さんは? 
 やっぱり顧客です。


そこで 「仲介業者を知る」 これが、重要な経営戦略となってきます。 (営業手法の基本である “マーケティング” を仲介業者さんへ実施するということです)

余談) → たまに勘違いをして、仲介店に自分の 「物件資料」 を一方的? に、持ってくる家主さんがいます。その 「物件資料」 の末路は ・・・ (悲)



第三段階 集客の期待できる仲介店 (大手) において、前向きな姿勢の担当者と付き合う
最終的に、これが出来ないと今までの苦労が水の泡です。しかし、簡単なことではありません。それは、以前のブログにも書いたとおり、残念ながら大手仲介店の営業担当者のレベルは 「ピンキリ」 と言わざるを得ないからです。


その理由の一つには、雇用形態として 「インセンティブを採用している」 ケースが多いことが挙げられます。そのため、社員の入れ替わりが激しく、全くの異業種から賃貸営業経験もない若年層が入社してきます。


とは言っても、逆の意味で 「インセンティブ」 を意識した、有能な営業担当者も必ずいます。また、そのような社員が売り上げを挙げるために 
案内に至る物件、決まる物件
を欲しがっていることも事実です。



それらを踏まえ、こんな営業担当者と付き合うことをお勧めします ↓

  • とにかく、話を聞いてくれる (表面上のケースもあるので、対応をよく観察してください)
  • 地域のニーズや家賃相場などの情報を気軽に話してくれる
  • 広告料アップや家賃値下げを気軽に要求しない (稀に顧客を抱えていて、本当に即決まるケースあるので注意)
  • 家主さんの物件についての意見を卒直に言ってくれる (まずいないと思いますが、巡り会えれば超ラッキーと受け止めてください。ただ、情報の精度に注意)


※探りを入れる段階で来店する際、月末や繁忙期 (特に2・3月) はタブーです。月初1〜10日、平日の午前中がベストです。アポが取れていれば別ですが ・・・



最後に
この段階まで実行している家主さんは、この厳しい賃貸市場の中で、生き残ることができると私は信じています。


但し、仲介の担当者 (特に大手) は毎月の数字に追われていています。そして、札幌市内の各店舗担当エリアにおいては、数千戸のライバルがいることも確かです。 


つまり、彼らの案内リストには 「決まる物件の優先順位が付いている」 と、いうことを理解してください。 そのリストの上位に、あなたの物件を載せる為の手法は、いろいろ有ります。 (費用対効果の高いテクニックなど)


でもその前に
決してきれい事ではなく
仲介担当者と、気持ちが通じ合う関係になる
これに勝るものはないというのが、私の本音です ・・・

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