相続税対策だから、空室を埋めなくてもいい?


さすがに9月になると、札幌も朝晩めっきり冷えてきましたね。自分は、暑がりなので窓を開けたがりますが、嫁は寒がりなんです。
「寒い! 窓閉めるよ」
「やめろ、暑いじゃん!」
こんな調子です。朝から 「バッタンバッタン」 窓の開け閉めの激しい毎日。低レベルな争いです。 (笑)

それでは、本題にはいりますね。



あなたは賃貸経営を真剣にやっていますか?
いきなり、すみません。 賢明な家主さんにとっては、愚問でした。しかし、そうとも言えない家主さんは、残念ながらいらっしゃいます。

今回は、ちょと視点を変えて、相続問題を通し 「賃貸経営の目的」 について実例を挙げて、考えてみたいと思います。
(最近、札幌市内の家主さんからの反響をいただいています。それ自体は大変嬉しいのですが、それだけに 『あまり詳しく書いたらまずいかな?』 と思い始めています。難しいですね ・・・)


過去に、こんな相談を大手仲介店の店長さんから、受けたことがあります
店長  「築浅、RC7階の大型物件なんですが、48戸中17戸も空いているんです。どちらかというと、このエリアでは希少物件に当たるので、積極的に案内したいのですが・・・」

そこで、物件資料を見させていただくと ↓

    • 立地     東区 地下鉄 徒歩6分 (幹線道路角地)
    • 築年     築5年
    • 構造他   RC7階 1F テナント4区画 → 全賃貸中
    • 間取り    1LDK 2LDK 各タイプ計48戸
    • 駐車場   空きあり 12000円
    • 家賃     1LDK  64000円  2LDK 78000円
    • 管理費   3000円 (仲介と管理は同じ会社)
    • 設備     0.75坪ユニットバス・ウォシュレット付きトイレ・シャワー付きシャンプードレッサー・対面式システムキッチン・TVインターホン・オートロック
    • 空き室    1LDK4室  2LDK13室


新築引渡し時には、ほぼ満室だったそうですが、一度空くと2回転目に苦戦しているようです。


   「店長、これ家賃設定高いんじゃない?」
店長  「同条件の新築より、10000円以上高いです」


空き室の理由は、そういうことでした。しかし、話はこれで終わりと思いきや ・・・


店長  「この家主さん、家賃の値下げを断固として認めないんです。アポ取りますから、一度会ってもらえませんか?」


これは、私の仕事の範囲ではないと思いましたが、さらに店長はこう続けました。


店長  「以前から、2LDKの引き合いが多く、なんとかしたいと思っていたんです。家賃の値下げをかけて入居が決まれば、その都度フィー払います。どうでしょう?」(当時勤務していた会社に内緒で ・・・)


うーん、確かに家賃以外問題はない。家主さんが家賃を下げない理由も、会って話を聞かないとわからないし ・・・ (ホントはフィーが魅力)


   「わかりました。でも期待しないでくださいね」


ということで、この家主さんに会うことになりました。



後日、訪問して詳しい話を聞くと、家主さんの言い分は ↓

    • 相続税対策で賃貸経営をはじめた
    • この物件は、すでにオーバーローン (赤字
    • 他に満室物件 (24戸) を持っていて、そこからローン支払いを補填
    • だから、別に空いていてもいい (
    • 家賃を下げると、ローン支払い原資が確保できない (


最後の2つ () の部分は、意味不明でしたがそのまま書きました。この家主さん、法人化をしていない個人事業主です。いくら、補填しているとはいえ、本来であれば他の物件を処分して、この物件のローンを圧縮する必要のある危機期的な段階まできています。


億単位の借入金を圧縮すれば、返済年数によっては金利分だけでも1千万単位でしょう。ですから、家賃を下げてでも条件の良い、この48戸満室にしたほうが得策です。現状のトータル収益よりアップする可能性もありますし、少なくとも2棟を失うリスクを回避できます。
(ローン補填用の物件の残債は、2年以内に終わるそうです)


この話、キャツシュフローのシュミレーションをすれば、1発で理解してもらえる問題でしたが、あまりにも家主さんの賃貸経営に対する意欲 (真剣さ) が見受けられないので、さっさと帰らせていただきました。 (全然困っていないと、強調されてましたし・・・)



賃貸経営の目的って何でしょうか?
この家主さんと同様に相続税対策で、賃貸経営をしている方はいらしゃるでしょう。しかし、本当に赤字でいいのか?

私は、そう思いません。やはり、儲からなければ意味がないと思います。そういう意識を持てばお金だけでなく、自分自身の人生も (やりがい・生きがいを感じ) 豊かになるでしょう。


たしかに、ビジネスとして部屋を埋めるのは業者さんです。
でも、家主さんが 「業者に任しているから」 と熱心でなかったら ・・・


おわかりですね!


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