不動産・建築業界のインセンティブ営業の実態
突然ですが ・・・
「営業職の歩合給 （インセンティブ） って、どうよ？」
と思われていませんか。家主さんとのお付き合いの深い、賃貸や売買、建設系の不動産会社営業マンの実態は、この世界での話しになります。
（会社によって、多少の違いはあるかもしれませんが）
今回は、そこに身を置いていた者として 『皆様の参考になれば』 と思い、書くことにしました。
●成果主義の世界
少し前から、巷の企業が 「成果主義」 を取り入れ始めて、そろそろ落ち着いてきました。早くから成果主義を実施した企業の中には、その弊害を体験して見直しを迫られているケースもあるようです。
自分は、不動産や建築業界の場合しか知りませんが、基本的に仕組みは同じだと思います。
バリバリの成果主義の会社のケース （中途入社）
負の要素↓
-
- 入社時の基本給は極力抑えられる （6万〜12万）
- 手当てをつけても、成果なしだと手取りで15万程度
- 残業代 ・・・ 当然なし （書類等の裏工作あり）
- だから、タイムカードは無い
- 賞与なし （毎4半期又は各決算時、インセンティブが付く）
- 退職金なし
- 管理職以外からのアシストなし （ある場合は歩合の配分要求も）
- さらに厳しい会社は、全くアシストなし （成績はオール自己責任）
- 成果がない場合、全社会議などで吊るし上げ
- 1年もたない （退職する） 社員が3割程度いる現実
成果の対価として↓
自分の勤務していた会社は、こんな感じです。
はっきり言って
「生死を賭けた、戦場でした」
結局、稼げる人も、稼げない人も途中で戦死します。
表面上は普通に、皆さん働いていますが
心の中を覗いてみると↓ (感じ方への差異はありますので、参考までに)
〈一般社員〉
- また月末がきた〜 （成績に対する脅迫観念）
- やり甲斐は、どこに？ （数字に追われて、それすら思考不能）
- 人間関係が冷たすぎる！ （誰にも聞けない、まわりは敵ばかり）
- 俺には無理だ！ 早く逃げよう
（管理職）
- 自分の数字を作らなきゃいけないのに、そのうえ管理？
- 今月もまた部下が退社したし、まともじゃないね
- 寝る暇ないよ （お金使う暇もない）
- 嫁と子供とは、ここ何日も話してないし、何処にも連れて行ってないなー
- 店の目標達成のために、血尿でたよ
- 部下の数字の足りない分を補うために、無理して働くなんて腑に落ちない （本来の管理職とは？）
- その結果、社内ナンバーワンになっても空しい
これが現実でした。
成果主義のなかで芽生えてくる
○孤独感
○無力感
○生理的嫌悪感
これらに苛まれて、結局は退社していくような気がします。
そして、会社は 『人間の消耗戦』 を繰り返しています。
甘っちょろいと怒られそうですが ・・・
「結果ではなく、そのプロセスを楽しめなければ、働く動機を失います」
言っちゃいました （汗）
たとえ、年収が1000万円を超えていても同じです。
（ここのところは、なかなか理解してもらえないんです）
もし、会社や上司から
「あんたのノルマは、今月売り上げ100万円！」
と、能力以上のことを言われたら、途方にくれてテンションがた落ちです。
つまり最初から、結果の重責に押し潰されているわけです。
だから 「ノルマ」 では無く 「自分で立てた目標」 を達成する。
このプロセスを経験してこそ
「人間としての成長があるんじゃないか？」
と思います。
（同じ試行錯誤でも、自分の戦略を実現するためであれば、ワクワクしますよね）
正直なところ私自身、このことに何年も気が付きませんでした。
もちろん、この競争社会において、会社には会社の事情もあります。
そしてサラリーマンである限り、並以上の収入を得るためには
「こころを失う」
危険性が潜んでいることも事実です。
これからの私の人生がどうなるか？ ―― わかりません （笑）
少なくとも
「自分で立てた目標」 を達成する。
このプロセスを大切にして、夢の実現を目指しながら人生を楽しむつもりです。
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