銀行対応から見た ― 経営者の危機管理 


私は過去、法人経営者や賃貸事業主の方たちと、仕事上で多々お付き合いしてきました。その中で、融資付けや相続などのファイナンシャル分野における、ご相談に乗ることもあり 「経営上での銀行との関わり」 を目の当たりにしてきました。


そんな、経験から今回は 「経営者の銀行対応からみた危機管理」 について、書くことにしました。 



● 銀行は怖い存在ですか?


従業員30名以下の会社において、ちらほら聞く話です 

    • 従業員にメインバンクのみならず、各銀行のクレジット付きキャッシュカード口座開設 (または口座開設紹介) を半強制的に依頼する
    • 給料振込みを全額実施せず、一部は現金支給
    • 設備投資資金の証書貸し付け契約を行なうも、明らかに短期契約 (転がし?)
    • メインバンクから、経営者が頻繁に呼び出しを受けている
    • これらの状況にありながら、営業キャツシュフローを超えそうな約定返済を、メインバンクに対しきっちり払い続けている


そうです! これらの条件に当てはまる会社は、資金繰りに窮しているんです。ここでの最大の問題点は、最後に書きました 
この状況下にありながら、約定返済をメインバンクにきっちり払い続けている」 
という点です。


こう指摘すると、条件に当てはまる社長さんは ↓ 
「そんなことを言っても、銀行返済が滞れば資金調達に支障がでて、事業継続が出来なくなるじゃないか!」
と、ほとんどの方が言われると思いますが ・・・


皆様は、どう思われましたか?
諸説あると思いますが、私は経営責任者である社長さんが、銀行を怖がったために
会社の財務内容が、悪循環を引き起こしている」 
と考ざるを得ません。 (本末転倒の話です)



● では、銀行対応をどうすれば良いのか?


以前このブログのコラムで、銀行から 「借りてくれないかい?」 と好条件で申し入れを受けている企業を紹介しました。(8月24日分 資金調達の話にて) 


その企業の社長さんにも、財務的に苦しい時期はありました。しかし、既存の借り入れ返済を 『リスケジュール』 して、残高復元を果しながら事業内容を回復させた実績があります。


この社長さん、そんな過去がありながらも現在は、新社屋を立ち上げるなど、その手腕には眼をみはるものがあります。 (事業規模としては年商5億程度、従業員20名の企業ですから、決して特異なケースではないと思います)


そこで私は、こう考えました。

怖くない! 銀行への対応法 

    • あくまで 「前向き」 に事業計画等を説明し、返済計画を引き直す
    • または、上記と同じスタンスで新規の借り入れを申し込み、実質的な返済金額を調整する (借り入れ残高維持が前提)
    • 「困っている」 「助けて」 などネガティブな理由は禁句
    • とにかく早めにアプローチする (銀行が動くときは、会社が相当危機のとき)
    • 場当たり的な資金繰り提案は、かえって融資に結びつかないことを知る


経営者が銀行に対し、物が言えない (怖がる) 背景には 「経営不振企業と思われたくない」 という意識があることは、否定できません。しかし、考えてみると銀行に対し、物が言いたいときは 「実際にそうなりつつある」 状況ですよね。だったら、前向きなスタンスで交渉すべきです。



最後に
確かに各企業の事情もあり、実際の銀行対応にはデリケートな部分があることは否めません。しかし現実として、銀行対応に成功している中小企業があることも事実です。

当たり前の話ですが 「自分の会社は自分で守るしかない」 これが基本です。

経営者が危機管理意識を持ち、ビジネスにおいて 「対等の関係」 を働きかける勇気を持つ ―― この姿勢は、銀行に対しても必要だと思います。


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