“付加価値営業” の本当の意味


私が不動産会社に勤務していたころは、毎日のように不動産を所有・運用している法人オーナーさんや家主さんにお会いしていました ―― こう書くとカッコが良いのですが、実態は 「飛び込み営業」 そのものでした。


その仕事 (営業目的) は、主に家主さん向けの 『経営コンサル』 をさせていただき 「満室経営」 の実現や 「投資物件売買」 のサポートをするというものでした。
(当然、これらの過程でリフォーム工事や仲介手数料が発生します。これが不動産会社の実質的な利潤となっていました)


当時は 「大手不動産会社が対話型の不動産経営コンサルする」 というビジネススタイルが画期的であったこともあり、そこそこのスキルのある営業マンは、相当の実績を挙げていました。 (インセンティブ営業ですから、1千万プレーヤーも ・・・)


ところが ・・・
最近は事情が変わってきました。 「飛び込み営業」 そのものが、特に法人オーナーさんから拒絶されるケースが増えています。そこには、企業のセキュリティーの問題や、個人情報の取り扱いついての意識が介在しているようです。


さらに言及すれば、従来通りの 「家主さんから提示された問題点を解決する」 という営業手法自体が、通用しない (顧客の付加価値と認められていない) 現実があると考えています。


つまり 従来の 『御用聞き営業』 では、顧客との人間関係を築くことが難しくなってきたわけです。 (この生き馬の目を抜く世の中では、お客様も勉強しています) 厳しい言い方をすれば 「便利な営業マン」 の代わりはいくらでもいるということに ・・・


では、どうすれば顧客にとっての 『大切な営業マン』 になれるのか? 
今回は最近のビジネスシーンを考え、自分なりに結論付けて見ました。



○ 顧客の願いを叶えるだけでは 『大切な営業マン』 になれない現実

この頃、企業がリクルートする職種の中で、やけに 「コールセンター要員」 が目立ちませんか? また企業広報・媒体広告なども 「企業ブランドイメージ定着」 を、より狙った物へとシフトしているようです。


つまり 「新規開拓」 の分野において、イケてる企業は 『安心・安全』 『顧客サービス重視』 などを最優先し、あらゆる手段を用いながら顧客に訴えていると受け取れます。


そして、それらのバックボーン (仕組み) と一体化して、初めて 「営業マン登場!」 となるわけです。


しかし、援護射撃をうけて登場した営業マンも、安穏としていられません。顧客に請われて訪問できたとしても、どの企業でも良質の商品を提供しています。その中で自社の商品・企画を 「ぜひ採用したい」 と顧客に思ってもらわなければなりません。 


そうなるには、前述の 「顧客にとっての大切な営業マン」 になる必要があります。



○ 『営業マンの知恵』 で圧倒的な付加価値営業は可能か ?

従来の 「企業が認識している問題点を解決する」 手法では、あくまで主導権は企業側にあります。 (解決できる企業であれば、どこでもいいのですから、差別化には値しません) また、付加価値としても魅力がありませんよね。


それでは一歩進んで
顧客の企業が潜在的に抱えている課題を、こちらから提起し、解決できたとしたらどうでしょうか?


顧客にとって、このインパクトは大きいと思います。
わたしは 『御用聞き営業』 から脱却するためには、顧客企業の課題 「コストダウン」 「効率化」 「マインドシェア拡大」 などを、その企業の気づいていない視点から、仮説を元に提案する必要があると考えています。


その結果、顧客は ↓

    • 親身になって、取り組んでくれた
    • 今後も相談にのってもらいたい
    • 彼にお願いする案件は、もう無いだろうか?
    • 他社からの切り替えを検討しよう

と、意識をするでしょう。


これは、私が実践した経験からの結論です。言葉では成り易しの感がありますが、実際には相応の準備に苦労しました。

    1. 顧客のニーズと、自社が提供できるサービスの接点を押さえる
    2. 仮説の答えに関する 「引き出し」 を、何種類か準備しておく
    3. 商品を採用してもらうこと以外の付加価値を、提供できるスキルを持つ
    4. 自社以外の協力・提携先企業を巻き込んで、懐の深い提案営業をする


特に、3と4を武器にして提案することで、お客様に喜んでいただいた記憶があります。

  • 3の場合 ⇒ 税金対策、相続、融資、ライフプランなどの相談・解決
  • 4の場合 ⇒ 管理会社、金融機関との提携や弁護士などの紹介

 
 

最後に
ここまで長々と書いてきて 「バカみたいな結論」 と言われるかもしれませんが ・・・

わたしは意外と、昔ながらの 「相手の意を汲んだ泥臭い営業」 が、今の時代にマッチしているのかな? と思い始めています。


それが
 「顧客にとっての大切な営業マン
につながるのかも知れません。


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