自宅用の新築物件は、今買いか?
札幌は朝7時の時点で、気温2.8度! 寒いです。車のフロントガラスが 「しばれて (凍って)」 ました。 恒例となっている、札幌ファクトリーアトリウムの巨大クリスマスツリーが先日設置されたそうですが ・・・ こんなに寒いと、違和感ありません (笑)
さて最近、お付き合いのあった方から、こんな相談を受けました。要約すると ・・・
「息子夫婦に子供が生まれた。息子の収入が安定してきたこともあり、郊外に新築戸建を欲しがっているんだが、どうしたものか?」
う〜ん。即答の出来ない問題だけに、詳しく話をきくことにしました。
○この息子さんのプロフィール ↓
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- 年齢 30歳
- 職業 建設会社の正社員 (勤続8年 技能系)
- 年収 約500万円
- 現住居 賃貸アパート(1DK) 家賃55,000円 (駐車場・管理費込み)
- 家族構成 妻と1歳の息子さん (奥さんは専業主婦)
- その他 相談者の父親が、保証人になっても良いと言っている
○新築住宅購入にあたっての要望 ↓
※もう少し詳しい内容を聞いたのですが、ここでは要約したものを書きました
これらの内容からすれば、物理的には 「希望に近い新築住宅を購入することは可能」 だと思います。しかし、わたしは、違う提案をさせてもらいました。
「今の時点で購入できるという判断」 と 「いま購入するタイミングか?という判断」 は別問題だと考えたのです。
結論から言えば 「戸建中古物件」 を勧めました。取得希望地域の売買仲介店の担当者を紹介し、1,500万円以下の物件を探してもらうことになりました。
(実際に複数の現場案内を経て、先日買い付けを入れました。現在交渉中です)
事業用物件の売買を見てきた関係上、収益を生まない自宅用不動産購入に関しては、ことさら “慎重になる癖” があるみたいです (笑)
今回の相談者の息子さんの場合、収入や保証人の問題などを考えると比較的 「条件に恵まれている」 と思います。新築住宅を買いたくても買えない人が、諸事情により増えている現状において、この相談者の息子さんが買わないで 「誰が買えるの?」 って感じですが ・・・
そこには、やはり今の 『社会的背景を考慮しなければいけない事情』 があると考えています。
○住宅ローンのリスクに人生を賭けることが出来ますか?
新築一戸建てを持つ ― いい響きです。 「俺は、一国一城の主」 なんて言ってみたいですよね。 (いまどき、そんな人いないって?)
そんなステイタスを求める方もいれば、景気回復基調などの報道から金利や不動産価格の上昇を懸念し 「今しか買えないのでは?」 と真剣に考え、すこし焦り気味に購入を模索している人もいらっしゃるでしょう。
たしかに、ある意味、金利については考える必要があるかもしれません。しかしそれは、金利が上昇するから 「今しか買えない」 ということではなく、金利が上昇したときに 「あなたのライフプランは大丈夫か」 ということについて考えて欲しいのです。
(北海道の場合は、札幌市の地下鉄駅周辺など一部の地域を除き、当分は土地の値上がりを心配する必要はないです)
※当ブログ: 「基準地価から見えてくること」 コラム参照 ↓ http://d.hatena.ne.jp/ageing-field/20070922/1192459588
最近ようやく、北洋銀行あたりでも “固定金利の住宅ローン” のキャンペーンをしているようですが、まだまだ “変動金利の住宅ローン” を組む方は多いと思います。たしかに超低金利に慣れてしまった、わたし達には金利上昇の危うさを実感するのは難しいかもしれません。
でも、思い出してください。過去、バブル時代には実際に変動金利で8%の金利を経験した人を、わたしは知っています。また、悪名高き 「ステップローン」 で家を任意整理したり、夜逃げした人も沢山いました。(ウチの裏の家もそうです)
○例えば先ほどの相談者の息子さんが、変動金利で新築を買うと
借り入れ金額 3000万円
当初金利(変動) 3%
返済期間 30年
総返済額 4590万円
○金利が1%上昇し、4%になると
総返済額 5160万円
その差額 570万円
当然、金利上昇時期にもよりますが、その差は歴然です。その金利のリスクに、あなたのライフプランが追従できる保証はあるのでしょうか? 追従するどころか、倒産、リストラ、給料減収などの負の要素が重なり、破綻する可能性も否定できません。
しかし今回のように、どうしても住宅を購入したいと考えている人がいることも事実です。そこで、新築購入費の半額以下の 「中古戸建物件」 を、固定金利で購入することように勧めたわけです。もちろん、銀行の融資付けや諸条件 (返済期間など) の相談にも乗り、物件調査にも同行しました。
(築年は古いですが、建築士のわたしから見ても購入予定の物件は、良い造りをしています)
そして最後に、こう付け加えました。
「万が一の場合、新築は買った値段で売れませんが、この物件はそれに近い値段で売れます。その差は大きいですよ」
と ・・・。 (だって、ほとんどが土地代で、しかも下げ止まってますから)
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