家主さんと仲介店・管理会社 ① ― 思惑のギャップ

「長年、懇意にしている仲介のお店や管理会社に任せているから、空室が出でも何とかしてくれる」


と、お考えの家主さんは結構いらっしゃるようです。そういう時代も過去にはありました。しかし札幌賃貸市場においても「一握りの家主さん」を除いて、安穏としていられない状況になってしまいました。


それらをざっと、思いつくままに書き出してみても・・・

  1. 過剰な物件供給 ― 入居者の選択肢・優位性が顕著に 
  2. 入居者の物件探し手法の変化 ― インターネット問い合わせの増加
  3. 大手仲介店の競争激化―危機感を抱いているのは、お店も同じ
  4. 格差社会の影響 ― 不動産ファンドによる大型物件が次々と (しかも好立地)
  5. 少子化の影響 ― 借り手の減少、ニーズの変化 


「そんなこと、わかってます!!」


と、家主さんの声が聞こえてきそうですが、問題はこれらの賃貸市場の変化について
どのようなスタンスで家主さん自身が、経営戦略を立てて実践しているか?ということです。


確認事項 ↓

  1. 立地上の検討 ― ターゲットとする入居者層を絞り込んでいるか?
  2. 物件の仕様 ― ターゲットのニーズを満足させる内容か?
  3. 近隣物件の傾向調査 ― 特に新築の人気物件、成功している既存リスタート物件の調査
  4. 家賃帯見直し ― 物件の仕様が劣っていて高い家賃は論外、しかし低家賃というだけでも戦えない現状 (ネット検索の弊害)
  5. キャッシュフローの再確認 ― 問題の再認識と、戦略を立てる上での根拠付け
  6. 近年の入退居状況の把握 ― 今後の空室率の想定し、現状のままでの経営見通しを、分析する


以上の経営戦略上のポイントは、最低限のものになります。これらでさえ、家主さん独自でデーター化するのは、なかなか大変ではないでしょうか?


  •  「だから、仲介のお店や管理会社に頼んでいる」 ?

自分の物件に危機感を持ち、勉強をしている家主さんも大勢いらっしゃいます。そんな家主さんの経営を、積極的にサポートしてくれる仲介のお店や管理会社は、残念ながら中々ありません。 (情報や経営のヒントは、たくさん持っているにもかかわらず・・・)


ズバリ!彼らにはそれらを生かし、家主さんのために反映させる余裕が無いのです。効率を優先し「決まる物件」を追い求める日々を続け、会社同士の競争の中、熾烈なインセンティブの世界で顧客を確保するために疲弊しています。


彼らは、家主さんの物件を契約に導く努力はしています。しかし重ねて書きますが、それは「最短距離で契約に到達する物件に対する努力」であって、あなたの物件の契約成立のために、努力しているわけでは無いのです。


厳しい物言いになりますが、例えば家主さんがオリジナルのパンフを作成し、新しい設備の導入をアピールしても総合的にオールOKで無ければ、沢山ある物件資料の山の下のほうに「そっと」しまわれてしまうのが現実なのです。 



最近、条件の悪い物件は広告料2ヶ月でも、同じことがいえます。決して広告料だけの問題ではないことを認識しましょう。


厳しい現実を乗り越える為には・・・明日に続きます!

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