家主さん vs 入居者 ― 究極の結末 ②
さて、強制執行に至るまで 「放置プレイ?」 をしていた家主さんから、原状回復の見積もりを提出して3日後、再び私に連絡がはいりました。見積もりの打ち合わせかな?と思い電話を取ると・・・
信じられない出来事ですが、なんと別の入居者に
「夜逃げ」
されちゃったのです。(正確に言うと、家主さんは1ヶ月以上前から、この入居者が不在だったことは、他の入居者から聞いて知っていた)
この入居者は、設備会社の社長さん (一人親方) でした。1階を事務所として借り上げ、2階を住居としていました。つまり、2部屋分の損害です。保証人にも連絡がつかず (同業者らしい) 鍵を開けて中に入り玄関の床の上を見ると、ポストから入れ込まれた 「督促状」 「請求書」 「怪しい金融会社の案内状」 の山だったそうです。
今回の電話の内容は
「取り合えず、残置物の保管をしたい。見に来てくれない? 」
(片付けと移送費の見積もり依頼)
ということでした。
結局は家主さんが、別件の強制執行の日に立ち会うと言うので、その日に待ち合わせすることにしました。
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強制執行の当日。
午前中でしたが、業者さんと現地に行ってみると強制執行は、すでに始まっていました。
執行官のほか、荷物を出す係りの人が3人いて、目の前の駐車場にどんどん家財を「積み上げて」 いました。
(はじめた見る風景なので、適当な表現方法が見当たりません)
その傍らに、入居者のご夫婦の姿がありました。彼らは特に、その作業に介入するわけでなく、 「傍観している」 と言う感じです。
室内に入ると家主さんは、そこに居ました。
私 「こんにちは、大変ですね。この家財、どこへ持っていくのですか?」
家主 「うーん、それがまだ決まっていないんだよ」
私 「エー! それじゃー、決まるまでここ(駐車場)に置きっ放しですか?」
家主 「やつら(入居者)の次の住居も決まっていないらしい・・・」
(決まっていないらしい?・・・どうするの!)
私は強制執行の最中、家主さんの了解を得て 「夜逃げの部屋」 を、業者さんと見ることにしました。驚いたことに、事務所、住居とも 「本当に夜逃げなの?」 と言うぐらい、そっくりそのままの状態でした。
2階の和室に行くと、布団が敷いたままになっていて、脇にはカップラーメンの残骸があり、週刊誌が開いた状態で置いてありました。 (生活感ありすぎ)
そして、よく見ると、かけ布団が少し盛り上がっています。
業者さんと顔を見合わせ
「まさか?」
そこで、そーっと布団を捲ってみました・・・
やはり、そこには何にもなく 「ほっ」 と、したのを覚えています。
その後、残置物の運び出しの見積もり現場調査も終わり、外に出ると執行官たちの姿は無く、駐車場にはブルーシートを掛けられた、家財のみが残されていました。さらにあの入居者夫婦も、すでに居ません。残っていた家主さんと、今後の段取りを打ち合わせしました。以下要約。
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- 強制執行の入居者とは、10日以内に駐車場の家財を撤去する念書を交わした (この入居者が、次にどこへ住むか知らないとのこと)
- 原状回復の内容、金額はOKなので工程を組んでほしい (募集の手配も)
- 夜逃げの家財は、自分の納屋に運んでほしい
- 夜逃げの家財については、ほぼ廃棄は間違いないので、廃棄を含めた見積もりを早急に出してほしい
- こちらも、原状回復の見積もりを出してほしい
私は強制執行の入居者が、本当に外に出された家財を取りにくるのか、一抹の不安のありましたが、これらの打ち合わせを、この日は終了して帰りました。
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この物件についての結末は・・・
【強制執行分】
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- 執行から1週間後、多少の残置物はありましたが、駐車場の家財は大方は無くなりました
- 9月には原状回復工事も終わり、新しい入居者も決まりました
- 最後に残った家財は、夜逃げの家財と一緒に処分
【夜逃げの分】
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- 家財は家主さんの納屋にすべて運び、弁護士と相談の上、1ヵ月後に処分
- 10月には原状回復工事がおわり、1階と2階のすべてが埋まったのは、翌年の3月でした
最終的にこの事件は、良い方向で収まりました。
しかし、家主さんは、大切な時間の浪費、大変な苦労、そして金銭的にも大きな損害を被りました。当時、私自身も良い勉強をさせていただいたと感じています。
● 「自主管理」 における 「入居者管理」の重要性
これについては実体験を含め、次のコラムで書きたいと思います。
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