家主さん vs 入居者 ― 究極の結末 ③ 

  自主管理の怖さ


なんと言っても、自主管理家主さんの関心事は

    • 家賃滞納
    • 入居者の迷惑行為

この2点では無いでしょうか?


総じて、この悩みを口にする家主さんは  「自主管理」  の方が多いです。
(管理会社に任せていても、入居者の迷惑行為については、家主さんまで報告しないケースが多いので、わからない家主さんが多いのも事実ですが・・・)


今回、書かせていただいた家主さんの場合は、どうだったのでしょう?


  • 自主管理には、それなりの 「心構え」 「知識」 が必要です

今回の家主さんは、昔からの地主さんです。 たとえ 「お金に困っていない」 としても、それでいいのでしょうか?
何年も自身が嫌な思いをしたうえ、金銭的にも300万円以上の出費を余儀なくされて良いわけは、ないですよね。



格差社会や不景気の影響は、賃貸業にも陰を落としています。厳しいことを言うようですが、今まで通りの性善説に基づいた甘い管理では、通用しないということです。



余談ですが、過去に私が出会った社長さんの中にも、何年も信用していた社員に裏切られ苦渋を飲まされた方は、たくさんおられました。つまり、そうなる前に 「予防措置を講ずる」 ことを、必要とされる時代だということです。
寂しい話ですが、これが現実なのです。


それでは、自主管理において賃家賃滞納者が出た場合 (最初が肝心です) の基本的な対応を、順を追って説明します。 
(基本的に滞納を許すような内容ではありませんので、来月まとめて払うなどの言い訳は、いえないような内容になっています)

  • 支払日に入金がない  → なるべく早く、手紙やハガキにで通知する(3日以内)
  • 郵便通知後も入金がない  → 自宅への電話にて入金を促し、連絡がついたら必ず、入金日を入居者に言わせる (郵便到着日後、1週以内)
  • 自宅へ電話しても入金がない → 連絡が付かない場合を含め、勤務先へ電話する (冷静に対応してください)
  • それでも、約束を守らない → ここまでで2週間ぐらいでしょうか? 今度は訪問して、支払日を守る念書を書いてもらう (併せて、保証人への連絡もしておく)

経験則上、ここまで動いても、さらに居留守を使うなどする入居者はいます。家主さんの中には、鍵を取り替えたり、ガス・水道を止める方もいらっしゃいますが、そのまま入居者が戻ってこないケースも(単身者が多い)結構あります。そうなると残置物の処理が大変ですし、何よりも追い出すためには、法的処置が必要です。後で入居者から告訴されることも考えられますので慎重に・・・


そして、ここからはその法的手段の段階になります

    • 内容証明郵便を送付する  → 契約解除の通告をします (準備段階)


ここで、ようやくお金を工面して入金するパターンが多いです。いずれにしろ、ここまで来た入居者については、同じことを繰り返すことでしょうから、次回は契約解除を目指すべきでしょう。

    • 支払いなき、契約解除   → 最終段階として明渡し請求訴訟から強制執行へ 


家主さんの中には、どうせ訴訟を起すなら


「小額(60万円以下)訴訟請求で少しでも家賃を取り返したい」


と、おっしゃる方もいます。しかし、和解及び判決を得られたりしても


お金のない人からは、取れない


のが、現状です。小額訴訟請求(明渡し条件付き)の場合


お金が入らない → 明渡し請求権行使 → 強制執行


と、移行するわけですから結末は同じことになります。 (時間とお金の無駄になります)
ですから、最初から契約解除を目指し、明渡し請求訴訟でいくべきだと思います。



また 「管理会社によって管理をしている場合」 においても、法的手続きを前向きに検討するべきだと思います。


管理会社の中には法的対応を嫌がり、自主解決を試みて時間を浪費し、結局こじれたりして、最終的には家主さんの負担が増えるケースもあります。内容証明を出して解決しない場合は、速やかに弁護士さんへ相談したほうが、解決への早道だと思います。


  • 総括

強制執行」 や 「夜逃げ」 にあった、この家主さん。
残念ですが、彼の自主管理に問題があったことは否めません。


確かに、自主管理が困難な時代になってきたのは、間違いないようです。また確かに、法的手段をとれば最終的に問題は解決します。しかしその都度、弁護士さんを頼んでいたら洒落になりません。(しかし、その解決方法に頼らざるを得ないのが現実ですが ・・・)


「長年住んでもらっているから」 

「今まで遅れたとしても、家賃は払ってくれた入居者だから」
 

などの理由で初期の措置を怠ると、実例として今回のような悲劇もあり得ます。

  • キーワード 入居者の質

以前は埋めることが優先で、審査も軽視されがちでしたが、意外と重要な問題になってきています。また、審査に頼らずに募集の段階から 「入居者の質」 を下げない方法もあります。


昔の家主さんと入居者の関係は、「親子」のようなものではなかったでしょうか?
しかし、現在の社会では、本当の親子関係もおかしくなりつつあります。
本当に残念なことと思います。

今では 「家主観察」 などという、ブログもあるようですし・・・

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