入居者トラブルの際のプライバシー問題    (家賃滞納編)


以前のブログにて、以下のコラムを書かせていただきました。
家主さんvs入居者 究極の結末 ③
⇒ http://d.hatena.ne.jp/ageing-field/20070820/1192462016
賃貸経営トラブルを法的に解決する勇気
⇒ http://d.hatena.ne.jp/ageing-field/20070905/1192460832


何れも入居者トラブルの話ですが、特に家賃滞納において “家主さんの対応が不適切” なために入居者に、そこを逆手に取られ困ったケースを紹介します。 (管理委託している場合、本来は管理会社担当者が事前に注意するべきことばかりです)


いずれも 「そんなバカな!」 と思われるかも知れません。しかし、本当にあった話です。一応、弁護士さんの裏をとってあります。参考になるかどうか ・・・



入居者の玄関ドアに家賃督促の張り紙をしていいのか?

家賃滞納をしている入居者と連絡が取れず、ほとほと困った家主さんが入居者の玄関ドアに、次のような張り紙をしているところを見たことがあります。


「10月30日までに滞納家賃3か月分、計120,000円を支払うこと。場合によっては、法的処置をとることになります」

とか、ひどいのになると (これでも強烈ですが ・・・)

「207号室の鍵を取り替えました。直ちに連絡を下さい」

なんてのもありました。


これは、やはり入居者のプライバシー侵害になるそうです。当然この共用廊下を通る他の入居者や宅配業者などの第三者が、この張り紙を見れば、ここの入居者が 「家賃滞納などの問題を抱えている」 ことがバレバレです。さらに言えば、これは貸し金業者がドアに督促状を張る行為と同じだそうです。 (もちろん違法取立て行為となる)


つまり、この張り紙行為はダメだということになります。



勤務先に督促の電話連絡は違法?

結論は ↓ 
「勤務先への電話連絡自体は違法といえないが、そのかけ方いかんではプライバシー侵害にあたる」  
可能性があるそうです。


わたしは先述の 『家主さんvs入居者 究極の結末 ③』 において
「自宅に連絡しても入金がない、又は連絡が取れないときは勤務先へ連絡する」(冷静に対応してください)
と書きました。チョット言葉足らずでしたので、その補足になります。


冷静に対応してください) この部分がポイントとなります。つまり、家主さんが  「いつ家賃を払ってくれるんだ!」 とエキサイトして怒鳴れば、電話先の入居者は 「もう少し待ってください」 とか 「月末に払います」 などと答えざるを得ません。そうなれば、第三者 (会社の人) の知るところになるでしょう。そこが、プライベートの侵害にあたるわけです。


また、稀に 「督促のために入居者の会社を訪問した」 という猛者の家主さんがいます。訪問自体は違法ではないようですが、電話の場合より対応がデリケートになるので、やめておいたほうが無難です。


最後に
残念ながら、家主さんの力でトラブル解決に至らない場合は、弁護士さんに対応を依頼することになります。しかし、いい加減こじれてからでは、解決への道のりは厳しいものになります。少なくとも、契約解除の内容証明を出す段階ぐらいで、弁護士さんに依頼するのがベストではないでしょうか?


入居者も勉強しています。相手側に家賃滞納とか、管理上のクレームなどの原因があるにせよ、家主さんの対応いかんでは逆手に取られることも珍しくありません。


また管理会社は法的トラブルへの介入を嫌がります。任せきりにすると問題解決に際し、遠回りになることもありますので注意が必要です。

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 自宅用の新築物件は、今買いか?


札幌は朝7時の時点で、気温2.8度! 寒いです。車のフロントガラスが 「しばれて (凍って)」 ました。 恒例となっている、札幌ファクトリーアトリウムの巨大クリスマスツリーが先日設置されたそうですが ・・・ こんなに寒いと、違和感ありません (笑)


 
さて最近、お付き合いのあった方から、こんな相談を受けました。要約すると ・・・


息子夫婦に子供が生まれた。息子の収入が安定してきたこともあり、郊外に新築戸建を欲しがっているんだが、どうしたものか?


う〜ん。即答の出来ない問題だけに、詳しく話をきくことにしました。


○この息子さんのプロフィール 

    • 年齢    30歳
    • 職業    建設会社の正社員 (勤続8年 技能系)
    • 年収    約500万円
    • 現住居   賃貸アパート(1DK) 家賃55,000円 (駐車場・管理費込み)
    • 家族構成  妻と1歳の息子さん (奥さんは専業主婦)
    • その他   相談者の父親が、保証人になっても良いと言っている


○新築住宅購入にあたっての要望 

    • 札幌市北区新琴似近辺に建てたい (妻の実家のそばを希望)
    • 車庫付き住宅で、屋外にももう一台分の駐車スペースが欲しい
    • 漠然と3000万円程度の借り入れで、抑えたいと考えている

※もう少し詳しい内容を聞いたのですが、ここでは要約したものを書きました


これらの内容からすれば、物理的には 「希望に近い新築住宅を購入することは可能」 だと思います。しかし、わたしは、違う提案をさせてもらいました。
今の時点で購入できるという判断」 と 「いま購入するタイミングか?という判断」 は別問題だと考えたのです。 


結論から言えば 「戸建中古物件」 を勧めました。取得希望地域の売買仲介店の担当者を紹介し、1,500万円以下の物件を探してもらうことになりました。
(実際に複数の現場案内を経て、先日買い付けを入れました。現在交渉中です)


事業用物件の売買を見てきた関係上、収益を生まない自宅用不動産購入に関しては、ことさら “慎重になる癖” があるみたいです (笑) 


今回の相談者の息子さんの場合、収入や保証人の問題などを考えると比較的 「条件に恵まれている」 と思います。新築住宅を買いたくても買えない人が、諸事情により増えている現状において、この相談者の息子さんが買わないで 「誰が買えるの?」 って感じですが ・・・


そこには、やはり今の 『社会的背景を考慮しなければいけない事情』 があると考えています。



住宅ローンのリスクに人生を賭けることが出来ますか?

新築一戸建てを持つ ― いい響きです。 「俺は、一国一城の主」 なんて言ってみたいですよね。 (いまどき、そんな人いないって?)


そんなステイタスを求める方もいれば、景気回復基調などの報道から金利不動産価格の上昇を懸念し 「今しか買えないのでは?」 と真剣に考え、すこし焦り気味に購入を模索している人もいらっしゃるでしょう。


たしかに、ある意味、金利については考える必要があるかもしれません。しかしそれは、金利が上昇するから 「今しか買えない」 ということではなく、金利が上昇したときに 「あなたのライフプランは大丈夫か」 ということについて考えて欲しいのです。
(北海道の場合は、札幌市の地下鉄駅周辺など一部の地域を除き、当分は土地の値上がりを心配する必要はないです)
※当ブログ: 「基準地価から見えてくること」 コラム参照 ↓ http://d.hatena.ne.jp/ageing-field/20070922/1192459588


最近ようやく、北洋銀行あたりでも “固定金利の住宅ローン” のキャンペーンをしているようですが、まだまだ “変動金利の住宅ローン” を組む方は多いと思います。たしかに超低金利に慣れてしまった、わたし達には金利上昇の危うさを実感するのは難しいかもしれません。


でも、思い出してください。過去、バブル時代には実際に変動金利で8%の金利を経験した人を、わたしは知っています。また、悪名高き 「ステップローン」 で家を任意整理したり、夜逃げした人も沢山いました。(ウチの裏の家もそうです)

 
例えば先ほどの相談者の息子さんが、変動金利で新築を買うと
借り入れ金額     3000万円
当初金利(変動)   3%
返済期間       30年
総返済額       4590万円


金利が1%上昇し、4%になると
総返済額       5160万円
その差額        570万円


当然、金利上昇時期にもよりますが、その差は歴然です。その金利のリスクに、あなたのライフプランが追従できる保証はあるのでしょうか?  追従するどころか、倒産、リストラ、給料減収などの負の要素が重なり、破綻する可能性も否定できません。


しかし今回のように、どうしても住宅を購入したいと考えている人がいることも事実です。そこで、新築購入費の半額以下の 「中古戸建物件」 を、固定金利で購入することように勧めたわけです。もちろん、銀行の融資付けや諸条件 (返済期間など) の相談にも乗り、物件調査にも同行しました。
(築年は古いですが、建築士のわたしから見ても購入予定の物件は、良い造りをしています)



そして最後に、こう付け加えました。
万が一の場合、新築は買った値段で売れませんが、この物件はそれに近い値段で売れます。その差は大きいですよ
と ・・・。 (だって、ほとんどが土地代で、しかも下げ止まってますから)


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 誰からも愛されているはずのA君が、うつ病に ・・・


最近、ショックなことがあったので書くことにしました。


以前勤めていた会社の同僚であったA君から、ある相談を受けました。その内容は 
うつ病と診断され、会社を退職した。とにかく話を聞いて欲しい」 
とのこと。私自身はうつ病になったことはないのですが、過去に知り合いや勤め先の人がうつ病になり、色々と関わってきた経緯があったので、話を聞くことにしました。


今回は、その内容を詳しく書くことは出来ませんが、A君の人となりから 「うつ病」 について考えてみようと思います。



A君の人となり

わたしは臨床心理士ではないので、医学的にうつ病について、どうのこうの言える立場ではありません。 ただ、A君をよく知っている (つもりだった?) 者として、今回は深く考えさせられました。


A君は30歳で妻と幼い子供が一人います。彼は何処にでもいる様な明るい青年です。会社で一緒に働いているときは、とにかく何事にも一生懸命取り組む姿勢が印象的でした。わたしが退社するとき、彼はまだ入社して半年程度でしたが、彼に対して会社の対応 (プレッシャー、いじめ等) に問題はありませんでした。


A君は、初対面の人間に対しても、明るく振る舞い 「いい人ビーム」 を常に出し続けていました。その光線を浴びた人間は、心底から彼を好きになり 「愛されるべき、いい人」 だと、感じていました。(でもそれは、仮の姿だったようです)


また、あとで当時の会社にいる、別の社員と電話で話したのですが、A君に 「うつの症状」 が出て会社を辞める際には、相当フォローしたそうです。


では、なぜそんなA君が 「うつ病」 になったのか? 当初は、本当に不思議でした。しかし今回、2時間にわたる彼との話から、その答えの一端が見えたような気がします。



人間の心理的葛藤の難しさ

わたしはA君と話している間、キーワードとなる言葉を見つけました。それは彼が何度も口にする 「他人に自分のことは理解できない」 という言葉です。 
(彼は、そう言いながら結局わたしに会っているのですが ・・・ なぜ?)


たしかに、悲しいかな新人のA君には、仕事で成功を続ける力はまだありませんでした。 (しかし、そのことについて社内では誰も責めていません) けれど彼は、その都度落ち込んでいき、最後の頃には 「社長や上司が自分のことを、見捨てている」 と、被害妄想を持つまでになったそうです。 (そんな事実は微塵もないのに)


「努力しても、不安を払拭できない自分」
「他人は、自分を受け入れてくれない」


わたしは、この2つの強い想いが 「彼の心を萎縮させていたのでは?」 と思っています。また、他人に受け入れてもらいたい一心で、いい人を演じ続けていたのかもしれません。


仮にそうだとすれば、彼と関わりあうすべての人が 「最大限の受容の意」 を示しても、彼自身の心の中では 「もっと、もっと!」 と際限のない要求を繰り返すばかりだったと想像できます。


彼の話を聞きながら、わたしは、もどかしさを感じながらも 『どうしようもない無力感』 に苛まれました。色々と話をしようと思いながらも結局、A君の話を聞くばかりで、その日は別れました。 
(少し明るい表情になった彼を、見ることができた気がしました)



うつ病は他人事ではない

以前、このブログで心理的瑕疵・事故物件、自殺者の増加をテーマに書いたことがありました。うつ病が社会的にも問題になっていることは事実です。


「うつ」 に苛まれる人たちの苦しみは 「うつ」 なった人にしか分からない


これは正論だと思います。ですが、せめて客観的なところからA君に学ぶとすれば、それは 「うつの予防」 という部分でしょうか?


わたしを含め、皆さんも 「他人に、自分のことを受け入れてもらいたい」 とか 「他人の評価を気にする」 という気持ちは、少なからずお持ちのはずです。この想いが強くなりすぎると、A君のような心理に陥る可能性が高まるのだと思います。


本来は自然体で生きることができ、その結果、意識をしないで 「誰からも愛される、いい人」 になれれば良いのですが ・・・

誰からも愛される、いい人」 は
     
他人の評価を気にしない
     
つまり、他人に愛や見返りを求めない
     
心に余裕ができ、他人を思いやることが出来る
     
自然に、誰からも受け入れられる (愛される)
     
「うつ」 になりにくい ?


わたしは、このように考えますが、これは理想論かもしれません。
しかし、最近は少なくとも 「そうなりたい」 と、考えるようになりました。


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 現物不動産投資と不動産投資信託 (J−REIT) ②


とうとう11月に入りました。札幌は今、冷たい雨がパラパラと降っています。今日から、大通り公園のホワイトイルミネーションの取り付けが始まりましたが、作業員の方は寒そうです。本当にご苦労様です。


さて、先回の続きになります。                                   現物不動産投資と不動産投資信託 (J−REIT)のお話です。


J-REIT市場の現状

J-REITは、2001年9月に登場した比較的新しい投資商品です。主に個人投資家向けの商品ですが、この低金利の時代に未だ 3%〜6% と、高い分配利回りを実現しています。
  

現在J-REITが投資する不動産は、1500棟以上、金額にして5兆円を超えています。投資対象となる不動産は、住居系物件、オフィスビル、商業施設、ホテル、物流施設等の収益不動産です。 先回も書きましたが、それらすべての投資法人東証及び、JASDAQの株式市場に上場しています。 (現在、42銘柄)


面白いことに、これら42法人の特徴はその 「投資対象」 によって色分けされています。これは、リスクの分散の意味があるのでしょうが、スポンサーや業務委託する外部ブレーンの思惑も見え隠れします。各投資先に特化したケース、2種類の投資先を組み合わせた 「複合型」や、総合的に分散投資する 「総合型」などがあり多彩です。


商業施設特化  日本リテールファンド投資法人  コード8953 (東証)                    「イトーヨーカ堂」・「ジャスコ」等が入居する郊外型の商業施設に加え、都心の商業施設にも投資を行う。資産運用会社は、三菱商事・ユービーエス・リアルティ(株) 資産保管会社は、三菱UFJ信託銀行


住居系特化  スターツプロシード投資法人  コード8979 (JASDAQ)                  唯一のJASDAQ上場銘柄。住居特化であるがファミリータイプ主体としている。株主の99%はスターツアメニティ (株) とスターツコーポレーション (株) で占め、これらはデベロッパーとしてだけでなく 「ピタットハウス」 の名称で仲介業を全国的に展開している点が特色。 資産運用会社は、スターツアセットマネジメント投信(株) 資産保管会社は、中央三井信託銀行。 

※個別法人名称や情報を、あまり詳しく書くと投資勧誘に受け取られる可能性があるので一例を紹介しました


特にスターツプロシード投資法人は、家主の皆さんが一度は聞いたことのある法人と関係が深いのではないでしょうか?         


投資法人は、1口20万円〜100万円程度の投資証券を発行し、集めた資金で不動産 (住居系物件、商業施設、オフィスビル、ホテルなど) を購入し運営します。こうして、毎月入居者 (テナント) から得る賃料が投資法人の収入となり、決算毎に不動産から得た利益の90%以上を投資家に分配します。


J-REITは、投信法上、利益の90%以上を分配すれば、法人税が掛からない仕組みになっていますので、一般の株式会社に比べて高い分配金を出せるわけです。現在、J-REITの平均分配利回りは4%台前半の高い水準にあり、 中には6%の実績のある投資法人もあります。 (分配金は年2回の決算期に確定し、支払われます)



J-REITと現物不動産投資を比較する

利回り(分配) ⇒ 単純に比較は出来ないですが、現物不動産投資の場合、実質利回りは投資家の資産運用の能力に左右されます。実力派の家主さんであれば、15%以上で回しているケースも。そういう意味では、ハイリスク・ハイリターンなんでしょうか。 (J-REITは、ミドルリスク・ミドルリターン?)


換金性が高い ⇒ 現物不動産は売りたいときに小回りが効かないことは周知の事実です。また売却する際の労力は、計り知れません。売却時の不安要素 (建物の瑕疵・売却価格・手続き) は多々有り、売れてみないと利益が確定できない不利があります。
しかしJ-REITは市場に上場しているため、売却価格は証券市場に公開されます。また、証券会社を通して売却を委託するだけですので手間がほとんどかかりません。



不動産投資が小額でスタートできる ⇒  現物不動産投資の場合、1棟あたり数千万円が必要となります。また多額な仲介手数料や諸経費・保険料など、イニシャルコストも馬鹿になりません。 (レバレッジを効かせた投資が出来るところまでいけば、面白いのですが ・・・)

J-REITの場合、不動産を証券化したものを購入するだけなので現状では、一口あたり20万円から100万円程度の小額で済みます。また、これにより分散投資できるメリットもあります。


自分がJ-REITを始めるのであれば、このあたりを注目点として考えています。さらに、投資運用会社の 「不動産のプロ」 が長期的な収益を判断・運用してくれるわけですから 「通常の株式投資の企業銘柄を買う感覚」 で投資ができると思います。



最後に
すみません。J-REITの宣伝のようになってしまいました (汗)
 
しかし、ご自身で不動産市況を分析したり、投資資金運用を任せた法人 (銘柄) の運用方針を研究したり出来るのであれば ――  ある意味 「楽しい投資」 が出来そうです。


あなたが 「本当に不動産が好き」 であれば ・・・ ツボにはまるかも。

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 現物不動産投資と不動産投資信託 (J−REIT) ① 


不動産投資信託』 ― これについては 「いつか書かかねば」 と思っていました。しかし、これをブログに書くに当たり 「どのような切り口で表現していけばいいものか?」 と悩んでいました。 (長くなりそうですし ・・・)


そこで!
 「現物不動産投資」 と 「日本版不動産投資信託」 (J−REIT の比較論で進めることにしました。


以前、仕事上でお付き合いのある、ファンド担当者との話を書きました。ところが、J−REIT (投資法人) の担当者とは、仕事以外の場所でお会いしていました。


具体的には、以前勤めていた不動産会社にて 「札幌の賃貸マーケット〜」 とか 「札幌の投資環境〜」 などのセミナーを札幌や東京で開催すると、必ず出席者の中にJ−REIT系の担当者の方がいました。
(わたしのところのセミナーに来るなんて ・・・ そう考えると、当時は札幌も分散型投資の一翼を担っていたのですね)


まだJ−REITの仕組み自体は、新しい不動産投資手法といえます。しかし、現物不動産投資と比較することにより、興味深い面が浮き彫りになります。 


現物不動産投資については、過去ブログでお話していますので、今回はJ−REITの中身からスタートします。



J−REITってなに?

J−REIT (Real Estate Investment)   日本版不動産投資信託


ということになります。ここで日本版と書いたのは、1960年代にアメリカで誕生したREITと区別する意味があります。 (アメリカのREITと仕組みが違うため)


日本版 (J−REIT) は 「投資信託及び投資法人に関する法律 2000年11月改正」 により、投資商品としての組成が可能になった経緯からスタートしました。



J−REIT (投資法人) を端的に表現すると
不動産を証券化した投資商品
となります。J−REITは、不動産を購入して所有・運営するために作られた法人です。つまり、このJ−REITに投資することは、不動産に間接的に投資することになります。


そこで皆さんが気になるところは、投資家への恩恵ですよね。 (リスクもありますが、それは次回 ・・・)

仕組みと恩恵

  • J−REIT各社は市場に 『投資口』 という単位名称で上場しています。つまり株式と同様 に、その価格は需要と供給の関係で変化し、日々の市場価格で自由に取引が可能です。 (利益確定で売買差益が発生します)
  • 不動産で得られる賃料収入等を元に、投資家は法人税が課税される前の利益のほぼ100%を分配金として受けることができます。 こちらも、株式における配当利回りと同じ主旨です。
  • 投資法人は、不動産を取得・運営することだけを目的として設立されています。役員は置きますが、従業員を雇いません。従って運営は全て外部に委託し、委託先の資産運用会社が実質的な不動産の選定や運営にかかわります。


この最後の部分が一番のミソでしょう。バックについている専門家集団 (資産運用会社) の存在がこの仕組みの屋台骨です。
言い換えれば 
現物不動産投資の場合、投資家 (家主さん) の能力により運用の成否が左右される現実があります
そのリスクヘッジを、J−REITの場合はプロが担ってくれるというわけです。
(勿論、J−REIT各社は資産運用会社の情報を一つの商品価値と捉え、積極的に公開しています)


これら投資法人は、42銘柄あり東証市場に41銘柄、JASDAQ市場に1銘柄が上場しています。当然、各法人の運用手法や投資先にはそれぞれ特徴があり、それは一口あたりの投資証券価格と分配金に反映されています。



最後に
ここまで、説明に終始してしまいました。そして、やっぱり長くなりました (笑)

 
J−REITは不動産マーケット事情に詳しい投資家の人にとって、興味深い市場だと思います。また、インカムゲイン主体の投資スタイルとも言えるので、そこは 「現物不動産投資」 に近いものがあります。


次回は、もう少し突っ込んでJ−REIT市況・運用内容の中身 (気になる利回りなど) さらに具体的な 「現物不動産投資」 との比較論をお話したいと思います。


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 異業種交流会ってどうよ?


今は事情があって退会してしまいましたが、以前は中小企業家同友会という異業種交流会に参加させていただいていました。
(その当時の話について、過去ブログに書かせていただいてます) 


そして今も、この時の経験が 「非常に役立っている」 と感じています。各業界の社長さん達や弁護士、社会保険労務士、はたまた飲み屋のオーナーさんまで、幅広いお付き合いができました。そのような方々と接する機会に恵まれ、たくさんのことを吸収させていただきました。


そこで今回は、自分の経験を踏まえ 「異業種交流会」 について書くことにしました。


異業種交流会に参加する“本当の目的”
率直に言います。 異業種交流会に参加する目的として 「ビジネスの人脈作りのために入会しよう」 と考えている人が必ずいます。ですから実際に、セールスの場だと思って参加する人を退会させる会もあります。


イケナイ下心の例 ↓

  • お客になってもらえるかもしれない
  • 知り合った人の肩書きを利用できるのでは?
  • イベントなどのチケットが、さばけるかも?
  • 会の集まりに、自分の店を使ってもらおう
  • 条件の良い転職先を紹介してもらおう


冗談みたいな話ですが、そんな雰囲気の人がいるのです。わたしの場合も、当初は 「自分の見えていない分野で、他業種の方とコラボレートできたらいいな?」 などと、ビジネスに結び付けようとする下心がありました。
(入会後、皆さんのお話を聞いて、それは間違いだということを知りました)


では
何のために異業種交流会に参加するのか? ↓

  • 優れた人を見つけ、何かを吸収する
  • 自分自身の固まった思考・視野に対し、刺激を貰う
  • 「本当の人脈」 とは何かを学ぶ


これらはキレイ事のようですが、実際に経験して素直にそう思えました。名刺交換しただけで、自社の商品が売れるわけもありませんし、下心が見え隠れする人は敬遠されるのがおちです。



本当の人脈を学ぶ価値

ビジネスに限らず、社会生活にも当てはまることですが

本当の人脈 (友達)  ギブアンドギブの関係

ですよね。趣味や共通の価値観の中から、この関係は生まれてくると思います。異業種交流会は、その 「きっかけ作りの場」 と考えていいと思います。


そして純粋に 「相手のことを思いやる付き合い」 が出来たなら、会社の大きさや肩書き、ましてや業界で有名人だとか資産家だからなどの外面ではなく、裸の人間として 「本当の人脈」 が築けるはずです。


まあ結局は、それが自分のビジネスに結びつくこともあるでしょう。しかし、このプロセスを踏むか踏まないかでは、雲泥の差です。かえって信頼関係を結んだ後のほうが、ビジネスライクに話が出来るものです。 (つまり、人脈で商売している感覚になりません)



余談ですが 
ある社長さんに飲み会の席で、こう言われました。

「人脈作りに熱心になるぐらいなら、自分の本業をしっかりやりなさい」

・・・ ごもっともです。


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嫁と紅葉を見てきました。北海道大学の 「いちょう並木」 です。夏に仕事で来た時 「秋はキレイだろうなー」 と思ってたら、その通りでした!

北海道大学内の博物館です ↓

いいムード出てますね。

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  格差社会問題の身近な話

わたしは今まで不動産業界に携わり、任意売却、家賃滞納、強制執行など ・・・ 当事者にとって 『人生の転換期』 ともいえる数々の場面に立ち会ってきました。


さらに最近、立て続けに 「失業」 や 「うつ病」 の相談も受けたこともあって、今回は社会問題としても取り上げられている 『格差社会』 について書くことにしました。


格差社会』 を生んでいるカテゴリー

    • 仕事
    • 教育
    • 家族・生活
    • 医療問題
    • 地域問題
    • 社会保障


これらの中から 『仕事』 を自分の身近な問題と捉え、思うところを率直にお話します。
※このところ営業やビジネススタイルの話をブログで書くと、結構反響をいただいています。そこで、 このテーマにしました。 (但し、自営及び起業の話は別の機会にしますね)



失業したら? ― そこには 「正社員雇用」 への高い壁が

失業する」 ―― 恐ろしい言葉です。しかし残念ながら身近なところで、よく聞く言葉でもあります。そこに至る経緯は、人ぞれぞれでしょう。 (倒産、リストラ、自己都合など) わたしは北海道の事情しか判りませんが、現状では正社員としての再就職は、困難を極めています。



北海道の就職事情
【40歳以上の正社員雇用の実情】
相当ハードルが高いです。国家資格を持った技術者や営業経験で華々しい実績を持った人でも、面接にすら進めないのが現状です。そこには、求職者数が圧倒的に多い事情もあり、それなりの企業には、たった1人の採用枠に対し、50人〜60人の応募があります。 (逆に言えば、40歳以上可の正社員募集企業が少ない)


【20代の正社員雇用の実情】
それなりの企業は新卒採用や第二新卒採用にシフトしています。 (もちろん学歴、成績重視) そうでない企業も 「右にならえ」 の状態で、例えばアルバイト経験しかない人などの正社員採用は、ほぼ絶望的ではないでしょうか?



そんな難しい状況でも、わたしが 「正社員」 を勧める理由は二つあります。 

  • 終身雇用は望めないが 「先のある雇用」 と 「相応の年収や社会保障」 の恩恵が受けられる
  • 責任の有る仕事や研修などにより、その後のキャリアアップが望める


年収については、正社員は非正規雇用者と比べ150万円程度の差があると言われています。また先述の雇用状況を踏まえ、将来転職する際のメリットは有形・無形を問わず 「正社員」 に軍配が上がります。


そして何より、この厳しい社会において 『希望を失わない心を持ち続けるため』 にも、がんばって正社員になる必要があると考えています。  


学校を出て就職し、数年で退職
    ↓
その後、たった一回の正規雇用さえ叶わない
    ↓
そしてフリーターへ


これが現実のものとなっています。
(わたしの身近にも、フリーターの方はいます。そして自分を 「負け組み」 と称し、対人関係に悩みニートや、うつ病になった人も)
さらに、中高年においては厳しい現実が ・・・



格差社会への心の持ち様

残念ながら、求職者の人が全員 「正社員」 になれないことも事実です。ファーストフードやファミレスなどは、2〜3人の社員が20人程度のアルバイトを使い、店舗運営を行なっています。そこには、企業が価格競争に勝ち抜くための 「都合」 があります。


そして、最近テレビ等で報じられている 「ワンコールワーカー」 の問題。これら、単純定型労働者の非婚若年層が 「ネットカフェ難民」 となり、その先にはホームレス生活があるとも言われています。こちらも、企業が固定費 (人件費) を削減する常套手段の犠牲者でしょう。


若年層の雇用問題が解決される日は来るか? ―― わたしが若いころは、単純に 「出世して偉くなりたい」 などと考えていましたが、今の社会はその入り口である正社員にすらなれません。深刻な問題です。


さらに深刻なのが、ワンコールワーカー (単純定型労働者) の非婚若年層が増えると、結婚できない、家族が持てないなど、という問題から 「生きる意欲」 すら、無くしてしまうのではないかという点です。


人間は励ましあい、共に生きる人を必要としています。一人ぼっちで、将来の希望もない状況で、上を向いて人生を歩くことは容易ではありません。



● そこで提案なのですが 

正社員は無理でも、なるべく長期のアルバイトの職にチャレンジしましょう。そして、その職に就くことができたなら、その企業のために 「貢献すること」 を意識し、実行してみたらどうでしょう。少し辛いですが、待遇や環境に関係なく頑張って見るのです。


企業はフリーターを必要としているが、あなた個人は必要としていない
世間では、このように言われていますが、それを逆手に取って認めてもらうのです。

そうすれば、「あなたを必要としている人」 に出会うことができます。


不幸にして、それが叶わない場合 ―― 大丈夫です! 転職の際には必ず、あなたのスキルの一つに 「その経験」 は生かされます。なぜなら ・・・ 面接官は求職者に、その視点を求めているからです。


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